乳腺炎について

乳腺炎とは乳腺の炎症のことで、乳房に発赤(皮膚の一部が赤くなった状態)、はれ、発熱、ズキズキする痛みがあり、授乳機能に支障をきたします。

 

多くの場合、まず乳房の一部が硬くなり、乳首の先の一部が白く詰まりますが、その詰まりさえ取れれば大丈夫です。

 

そのほかにも、乳管が少し詰まったことで乳腺が腫れて痛くなる状態や、乳腺の細菌感染が周りの組織に広がることで乳房膿瘍(うみが溜まった状態)のものまで、いろいろな段階があります。

 

乳腺炎の症状には大きく分けて2つあります。

 

①急性うっ帯性乳腺炎(急性停滞性乳腺炎)

 

出産後2~3日後ころに頻発し、特に初産の場合に多く見られます。

 

微熱を伴うこともあるうえ、乳房全体が赤く腫れ、硬くなります。

 

しこりがあるケースも多く、ちょっと触っただけでとび上がるような痛みを感じることもあります。

 

また、急性うっ帯性乳腺炎になった人は細菌に感染しやすくなっているため、急性化膿性乳腺炎に移行することも多いため注意が必要です。

 

②急性化膿性乳腺炎

 

産後2~3週間目くらいから出ることの多い症状です。

 

これは、授乳期には乳首に小さな傷がつきやすく、その傷から連鎖球菌や黄色ブドウ球菌などの細菌が侵入し、炎症を起こすことが原因とされています。

 

急性化膿性乳腺炎は、乳首を不潔にしていれば常に起きやすくなるため、普段から清潔にしておくことが大切です。

 

症状としては乳房が赤く腫れ、痛みを感じます。しこりができるまでの症状は、急性うっ帯性乳腺炎と同じですが、急性化膿性乳腺炎の場合は、38~40度の高熱によって全身に寒気が走り、わきの下のリンパ節にも腫れを感じます。

 

炎症が進行すると、膿瘍(うみのかたまり)ができ、乳汁に血やうみが混じることもあります。