乳がんについて

タレントの小林麻央さんが、若くして乳がんで亡くなったのは記憶に新しいところですが、女性にとっては決して他人事ではありません。

 

乳がんはいつ、誰がなってもおかしくない病気です。

 

貴女はその危機感をお持ちでしょうか?

 

もし乳がんと診断されたら、貴女はどうしますか?

 

病院で治療しますか?自力で治しますか?

 

手術しますか?抗がん剤を使いますか?

 

健康な貴女にはまだ想像できないかもしれません。

 

しかし、現実は時として冷淡なものです。

 

しかるべき時に備え、日ごろからケアしておくことが重要です。

 

私たちは貴女の大切な命、大切な身体を守るため、惜しみなくご奉仕致します。

 

 

★乳がんとは 

 

乳がんとは、乳房にある乳腺にできる悪性腫瘍のことです。 

 

乳房は大半が母乳をつくる乳腺でできています。乳腺は乳頭を中心に15~20の乳腺葉で構成されていますが、乳腺葉は、母乳をつくる「小葉」と、小葉でつくられた母乳を乳頭まで運ぶ細い枝状の「乳管」とに分けられます。乳がんの約95%以上が乳管の上皮細胞にできる乳管がんで、約5%が小葉にできる小葉がんです。 

 

乳がんには非浸潤がんと浸潤がんがあります。 

 

非浸潤がんは、がん細胞が乳管や小葉内にとどまっている状態で、浸潤がんはがん細胞が増殖し、乳管や小葉の外に広がった状態です。 

 

非浸潤がんと呼ばれる早期がんの段階では、まだその多くが治るといわれていますが、早期の乳がんでは自覚症状があまり感じられません。がん細胞が時間の経過とともに増殖すると浸潤がんとなります。そして気が付いたときには血管やリンパ管へと広がっていることがあります。 

 

乳がんと診断されたときには、リンパ節や脳・骨・肺・肝臓など遠くの臓器にがん細胞が拡散し、新しいがんを発生する、遠隔転移をしていることもあります。遠隔転移をしたがんはほかの臓器に発生していても乳がんの特徴を持ち、始めからその臓器に生じるがんとは性質が異なります。 

  

 

★乳がんのできやすいところ 

 

①外側上部 47.6% 

 

②内側上部 23.5% 

 

③外側下部 13.0% 

 

④内側下部 6.8% 

 

⑤乳輪部 6.1% 

 

⑥不明 0.8% 

 

出典:全国乳がん患者登録調査報告 第32号2000 

  

 

★乳がんの症状 

 

・乳頭や乳輪に湿疹やただれを生じたり、乳頭から血の混じったような分泌物が出たりする 

 

・乳房にえくぼのようなへこみを生じる 

 

・腋下の腫れやしこりが生じたり、しこりによる神経の圧迫からくるしびれなどを生じたりする 

 

・皮膚の赤みや腫れ、熱っぽさといった症状が生じる 

  

 

★乳がんになりやすい人 

 

最も大きなリスク要因は遺伝的なものと言われています。とくに母親や姉妹に乳がんになった人がいる場合は、リスクは2倍になると言われています。   

 

また、乳がんは一般的に次のような人がなりやすいと考えられています。 

 

・初潮年齢が早かった方(11歳以下) 

 

・出産経験のない、または初産年齢が遅い方(30歳以上) 

 

・閉経年齢が遅かった方(55歳以上)   

 

これは、乳がんの発生には、エストロゲンという女性ホルモンが大きく影響しているためです。エストロゲンは女性らしい体を作るための重要な働きをしているホルモンですが、分泌されている期間が長いほど、乳がんのリスクが高まるのです。 

 

妊娠・授乳期には分泌が止まるため、それだけリスクが減ることになります。閉経後はエストロゲンの分泌が止まりますが、その代わり別のホルモンが脂肪組織でエストロゲンに変わります。したがって、閉経後の肥満もリスクの一つとなるので注意が必要です。 

 

日本では、乳がんにかかる人は30代から増加し始め、50歳前後をピークとして減少する傾向にあります。しかし、20代でも、閉経後でも乳がんになる場合がありますので、年代にかかわらず、乳がんの危険性を認識して、セルフチェックを続けることが大切です。 

※ [出典]公益財団法人日本対がん協会「乳がんの基礎知識」
※ [出典]公益財団法人日本対がん協会「乳がんの基礎知識」